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玉井 聡行*; 一ノ瀬 暢之; 田中 智子*; 貴家 恒男; 橋田 勲*; 水野 一彦*
J. Org. Chem., 63(10), p.3204 - 3212, 1998/00
被引用回数:24 パーセンタイル:63.07(Chemistry, Organic)ビフェニル、ターフェニルなどのポリフェニレン化合物の光誘起電子移動反応系に対する共増感効果について、時間分解過渡吸収測定法を用いて検討した。9,10-ジシアノアントラセン(DCA)電子受容性を増感剤とする電子共与性化合物のラジカルカチオンを経由する反応はビフェニルなどの共増感剤の存在下で著しく促進されることが知られているが、1,2-ビス(4-メトキシフェニル)シクロプロパン(CP)の連鎖的なシス-トランス異性化反応、光酸素酸化反応の反応量子収率とCPのラジカルカチオン生成の量子収率から求めた連鎖長は、共増感剤の存在下、数倍から数十倍に増大することが分かった。従来、DCAと共増感剤のラジカルイオン対の高い解離収率で共増感効果が説明されてきたが、むしろ基質ラジカルカチオンと共増感剤との錯体形成がラジカルカチオンの失活を抑制するためであると考えられる。